タダシイシナモノ

『遺憾なことには、近頃の都の人たちが用いる品物が大変粗悪になって来たことであります。
押しなべて商品はその格が落ちてきました。人間の智慧はいつも良いことのみにはそそがれません。
ある時はずるい作り方を覚えたり、上べだけよく見せかけることなどをも考えました。
儲けることに熱心になると、とかく正直な仕事を忘れます。
一般に売っている品物は、多くはそのために粗末なものになって来ました。
今では本当の正しい品物を見つけることのほうが、むずかしくさえなってきました。』
柳宗悦「手仕事の日本」(昭和十八年)

この文章が書かれてから80年
「品物」は当時よりはるかに劣化しています。
イミテーションが我が物顔で横行しています。

良い材料を見つけ、手間をかけて加工し、低温で濃縮する。
私たちにできることは、相変わらずそれだけです
極上の果実感は丁寧な仕込みなくしては生まれません。
濃縮したものが美味しいものになるかどうかは、濃縮前にどれだけ丁寧に美味しさを引き出せるかにかかっています.

シンプル

『型染には過剰な技術がない。色は単純に煮つめられている。
質は見せかけがなく堅実で、模様は絵画から離れて、型紙の必然から生まれた模様になり切っている。
このように型染には、手仕事の根元的なものから発する美しさがある。」

1957年 芹沢銈介


食品に限らず、豊かな自然の恵みを大切に味わうことは、私たちの原点です。
特に「在来種」は、コモディティー化してしまった改良品種にはない魅力・価値を持っています。
素材の持ち味を活かした本物志向の加工のみならず、全国津々浦々、歴史や文化も含めて商品化することにより、それぞれの地域を活性化させ、貴重な文化を残すことに貢献できると考えています。

夢の工作室

昔、来日したアラブの王様に「日本で買って帰りたいものは何ですか?」と記者が質問しました。
すると、王様は「三菱重工!」と答えました。それさえあれば国をすべて作り変えられるからだそうです。「ドラえもん」はいつものび太の困りごとを解決してくれました。「宇宙戦艦ヤマト」にも、何でも作ってくれる「工作室」というものが装備されていました。
ロボットが料理を作ったり、別のロボットを設計して作ってしまう。
そんな斬新さに萌えた子供たちも多かったはず。

JFSはそんな希望をかなえる「夢の工作室」でありたいと思います。