JFSのフルーツソース・ジャム・マーマレイドは糖度を65%以上にしています。糖度が65%を超えることにより水分活性(AW)が急激に低下して微生物等が繁殖しにくくなるためです。微生物に有害な物質を使って繁殖を抑える保存方法とは根本的に異なり、安心して摂取することができます。

CODEX規格でもフルーツソース・ジャム・マーマレイドの糖度は65%以上であると定義されています。

JAS規格では日本独自のルールで糖度40~65%の「低糖度ジャム・マーマレード」を認めていますが、水分活性による保存性は期待できないため、保存料などの添加物に頼るか、充填・封入・殺菌技術により開栓前の保存性を高めることになります(開栓後は急速に腐敗します)。

低糖度ジャム・マーマレードは健康に良いと考えている人も多いのですが、果実分が少ない低糖度ジャム・マーマレードをたっぶり使うよりも、果実分がぎっしり詰まったCODEX規格ジャム・マーマレードを少しだけ使う摂取する糖分は少なくてすみます。

食品は余った水分がなくなれば微生物が繁殖しにくく、長期保存ができます。この余った水分のことを自由水と呼び、食品中の自由水の比率を水分活性(AW)と呼びます。糖分2gが水分約1gを捕まえる性質を利用して、水分活性(AW)を減少させた食品がジャムです。

ペクチンによる安定化
さらに、ペクチンが硬化することにより水分をさらに安定させるので保存性をさらに高めます。ペクチンが硬化する条件は、pH3.5以下の酸性であり、糖度が55%以上とされています。ペクチンの量との関係もあります。

正確な意味での「糖度」を測定するには検査機関に提出し、結果がでるまで2週間程度かかります。
そこで工場の製造現場で糖度を測るには「糖度計」を使用します。

糖度計で測った「糖度」は、「Brix」と呼ばれます。糖度計は液体中の「可溶性固形分」の濃度によって屈折率が変化することを利用したいわば「屈折率計」で、「屈折率」は「可溶性固形分濃度(Brix)」と相関関係があるため、「可溶性固形分濃度(Brix)」に置き換えて表示した「屈折率計」が「Brix計」または「糖度計」と呼ばれるものです。

したがって、糖度計で測ったBrixと検査機関で測定した糖度では、糖分以外の可溶性固形分の分違いが出ます。たとえば、糖分以外の可溶性固形分であるペクチンの分量はBrixに反映されます。